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TVドラマシリーズのチーフ演出家がそのまま劇場版も監督する慣習はそろそろ終わりにした方がいいのではないか

時として「劇場版」と呼ばれるものに対して批判的になるのは、時間をただ一時間から二時間に伸ばしただけで、もともとのTVドラマと何ら変わりがないからだ。予算が潤沢になっただけで、出演者や脚本家も同じであり、何よりTVドラマの文法でそのまま作られるので、そこには映画を観ているという実感も喜びもない。TVドラマで第1話の演出を務めるいわゆるチーフ演出家が、そのまま「劇場版」の監督も兼ねることがほとんどのため、既視感たっぷりのTVドラマから一歩も抜け出していない作品が、私たちの目の前に次から次へと提示される。

「相棒」シリーズのチーフ演出家であり、映画の撮り方をすっかり忘れてしまった和泉聖治は3本の「劇場版相棒」を監督しており、「ストロベリーナイト」の佐藤祐市もそのまま「劇場版」を監督した。「ガリレオ」シリーズの西谷弘も「容疑者Xの献身」と「真夏の方程式」の二つの「劇場版」の監督を務めている。演出家という、ある意味特殊な才能が要求される職業においても、TV局ではその他多くの典型的な日本企業と同じく、年功序列というしきたりに従って動いているように思える。先進的とも思えるTV局が実は一番保守的なのかもしれない。

私は映画とTVドラマは、全く別のものであっていいと思っている。キャストもスタッフも重複することなく、映画は映画で、TVドラマはTVドラマでそれぞれの特長を活かした作品を観てみたいと思っている。しかし「劇場版」として作らねばならないとしたら、監督にはチーフ演出家の肩書きや年功序列ではなく、TVシリーズにおいて最も「映画的」である人を使うべきではないだろうか。例えば「花より男子2(リターンズ)」では、第1話と最終話と演出した石井康晴よりも、6話を演出した三城真一の方が、つくしを待つ道明寺の川辺のカットの入れ方一つをとってもよほど映画的だと思うのだが、ご存知のとおり「劇場版」である「花より男子F」は石井が監督をを務め、そして最低の映画を作ってしまった。

「劇場版」という名前の下にTV局が境界線を超えて映画という領域に乗り込んで来る以上、人材、特に作品の出来を決定づける監督においては、社外含めて広く求めるべきであろう。仮に何らかの事情でそれが難しいのであれば、TVドラマシリーズにおいて、最も適切かつ優秀であった演出家を起用すべきである。そのことが「劇場版」の質を良くするだけではなく競争原理が働くことによって、TVドラマそのものもずっと面白くなるはずだ。
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魔笛

Author:魔笛
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映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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