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竹林寺 (高知県高知市)

全国各地の寺で何年かに一度行われる秘仏開帳の儀式に特に関心があるわけではないが、昨年の春と秋に開帳された竹林寺の文殊菩薩像は、是非とも見てみたかった。次回は50年後の予定である。特に秋の開帳の期間は、高知へ帰らねばならない時期と1週間ずれており、何とか調整をしたかったのであるが、残念ながら無理であった。

本尊が文殊菩薩であるのでご利益を期待したのか、あるいは市中心部からも近いため、車を持っていなかった我が家にとって比較的行くことが容易であったのか、子供の時は何度も竹林寺へと連れて行かれた思い出がある。まだ牧野植物園が出来る前からである。その頃はまだ対岸から展望台までロープウェイが運行されていたため、ゆっくりと眼下の山腹を歩く鹿を見ながら、頂上へと向かうのが常であった。

高知市内を遠景で捉える場合は、必ずと言っていいくらい五台山山頂からの映像が使われるため、TVで懐かしく眺めていたのだが、実際に五台山へはずっと長いあいだ足を運んでいなかった。子供と一緒の何度目かの高知への帰省の折、牧野植物園に行ってみようということになり、何十年振りかで五台山へと行った。まずは展望台でいつもTVで見ていたのと同じカットで高知市内を確認した後に向かった牧野植物園では、子供たちは植物よりもそれに寄ってくる昆虫たちを楽しんでいたようだ。そうして高知に帰ってきた時には、牧野植物園へ昆虫を見に行くことが我が家のお決まりのコースとなった。

牧野植物園の南門を出れば、竹林寺はすぐである。ある時バスの時間までかなりあったので、久しぶりに竹林寺へと行ってみたくなった私は、少しいやがる子供たちを何とか説き伏せて正門をくぐった。何度も両親と一緒に来たはずなのに、現在目の前に見ている情景が、昔の記憶に繋がってくれない。ぼんやりと覚えているのは五重塔くらいで、本堂も庭園も曖昧だ。退屈し始めた子供たちに急かされるように駆け足で一周した私は、何か寄進を行っていることに気づいた。近寄って確認してみると、こけらに願い事を書いて渡せば、次回の本堂の葺き替えで屋根に使われるという。私はその時すでに入院して闘病中であった母の全快を祈る短い言葉を書いて、寺のひとに渡した。

その翌日だったか市内の病院に母を見舞った時、このことは何も母には言わなかった。仮に言ったとしてもすでに病気は進んでいた母は、何も分からなかったかもしれない。父には短く伝えた。その後何年かして母は亡くなった。後を追うように父もすぐに亡くなった。二人ともいなくなってしまった。しかしあの日、子供たちと一緒に竹林寺に収めたこけらは、本堂の屋根の一部となって残っている。次回の葺き替え工事がいつであるのか私は知らないが、願わくば次回の秘仏開帳の50年後と重なるのであれば、文殊菩薩もそして長いあいだ屋根の上から私たちを見ていたあのこけらが役目を終えて新しくなるのも、同時にこの目で見てみたいと思っている。

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五台山

ご母堂のせつない思い出残るお寺のご開帳,一週間のずれとは残念でしたね.でも思い出したり帰ったりするのが何よりの供養かと存じます.

岡豊城址や武市半平太の生家,桂浜などは何度か訪ねているのですが,五台山は行ったことがありません.グーグルマップで見ると,展望台からは高知平野から浦戸の海が一望できそうですね.今度,行ったら必ず上ってみます.

ボクは罰当たりな無信心ものなのですが,寺の仏像にはしばしば彫刻として目を見張る作品がありますね.国宝,重文クラスの像がまだまだ,いくらでも眠っている感じです.

ところで,そのうちにボクたちが小さなレストランを出したら,是非,チキンのごぼうソースをご賞味くださいませ.(^_-)-☆

Re: 五台山

> 江奈♂様

コメントありがとうございます。私は逆に岡豊城址や武市半平太の生家には行ったことがありません。今なら息子に絶対連れて行けとせがまれそうですが、住んでいたころは考えもしませんでした。是非とも行ってみたいです。

実は今月高知へ帰ります。20時間ほどの短い滞在なので五台山、竹林寺にも寄れそうにありませんが、出来るだけあちこちで思い出を拾ってこようかと思っています。

チキンのごぼうソース、もちろん食べにうかがいます。楽しみにしています。

これからもよろしくお願いいたします。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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