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悲しみよこんにちは オットー・プレミンジャー (洋画 映画館鑑賞)

「勝手にしやがれ」は間違いなくジャン=リュック・ゴダールの名前で観たが、「悲しみよこんにちは」は、数々の意欲作を撮り続けたオットー・プレミンジャーには申し訳ないが、セシルを演じたジーン・セバーグが観たかったためだと自信を持って断言できる。いつも監督の名前で映画を選んでしまう私にとっては珍しいことかもしれない。女優という意味で今でも心の奥深くに残っているのは、「悲しみよこんにちは」とテータム・オニールの「ペーパームーン」である。この二本の映画は私にとって大切な大切な物だ。

映画という観点から見れば、原作の持つ微妙で怖いとも言える主人公の感情を、映像として完全に再構築しているとは言えないかもしれない。それでもひと夏の別荘を舞台にした思春期の少女の、ひょっとしたら一年後には跡形もなく無くなっているかもしれないこの時期特有の、身勝手でかつ自己中心的で退廃的な考えに揺れ動くセシルを演じるのに誰が相応しいかといえば、ジーン・セバーグ以外にはいなかったであろう。もちろんこれは年齢のことを言っているのではなく、女優として持っているべき資質のことである。

ポール・エリュアールの詩から採られた「悲しみよこんにちは」という題名であるが、その響きがいいのか幾つかの同名の歌謡曲が作られている。中でも斉藤由貴が歌ったものは、赤面ものの詞を書かしたら天下一品の優れた職業作詞家である森雪之丞と卓越したメロディーメーカーである玉置浩二が手を組んだ名曲であるし、ずばり主人公の名前をとった浅香唯の「セシル」は麻生圭子とNOBODYの傑作だ。多くの歌手に楽曲を提供したNOBODYに、松田聖子のシングルA面曲を書いて欲しいと思っていたのは決して私だけではないだろう。

どこをどうと指摘することは困難であるが、なんとなく馴染めなかった朝吹登水子の翻訳に代わって、河野万里子による新訳が同じ新潮文庫で出ている。新しく本を買ってきて、本当に久しぶりに「悲しみよこんにちは」を読み返そうかと思っている。
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No title

うー(;^_^A …しまった.
ボクはサガンをひとつも読んでいないので「悲しみよこんにちは」を知りません.

映画を監督で選ぶというのは激しく賛成です.
俳優や評判で選んだ映画がつまらなかったときほど凹むことはありません.
得るものは何もなく,残るは後悔だけ(笑)失った時間は人生の損失のように思ってしまいます.

…さて,これを機会に「悲しみよこんにちは」.

魔笛さんが監督ではなく女優で選ばれたとおっしゃる映画で観るべきか,
無難に,お勧めの訳者の新潮文庫で読むべきか(笑)

Re: No title

> 江奈♂様

コメントありがとうございます。実際は監督で選んで失敗したことも多いのですが、好きな監督であるとそんなには外れがないような気がします。これは小説家にも同じことが言えるかもしれません。ただその分新しい監督や作家から遠ざかってしまい、映画を観るあるいは小説を読むという楽しみを自ら奪っているようなジレンマを感じることもあります。

これからもよろしくお願いいたします。

No title

『レオン』のナタリー・ポートマン、
『タクシー・ドライバー』のジョディ・フォスター
もいいですよね?

Re: No title

> つかりこ様

確かにそうですね。これからはもっと出演している女優で、観る映画を選ぶようにしたいと思っています。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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