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坂本龍馬が姉の乙女から水泳の猛特訓を受けたという高知市内中心部を流れる鏡川では、今でも川底を掘り返すと蜆を採ることができる。私が小さかった頃には母方の祖父が、潮江橋のたもとで蜆を掘ってきてくれた。店で買うほどは採れないのだが、それでも味噌汁の具として食べるには十分な量である。私は浅蜊よりも、むしろ蜆の持つ何とも言えない独特の味が大好きである。

汁物の具としての蜆は出汁を取るためで、身は食べない人もいると聞くが私は必ず食べる。太宰治の小説の登場人物のように気にすることもなく平気で食べる。逆に言えば身を食べたいがために蜆の汁物を飲むようなものだ。確かに小さい身をほじくり出して口に入れることは面倒であるし、殻を置く場所に困ることがあるが、この上なく美味しくて大好きであるから、最終的には全部食べるのである。

日本ではもっぱら汁物として蜆を食べるが、台灣へ行けば醤油漬けという素晴らしい料理がある。色も大きさも違うので日本の蜆とは別の種類だと思うが、辛子、にんにくの利いた蜆はぷりんとした食感が美味しく、また蜆の身が持つ本来の旨さを味わうには、半生のこの調理法の方が良いかもしれない。蜆の殻を手で持って身を食べて、続けてビールや紹興酒を飲むと口中に美味しさが拡がって行く。その国の酒にはどんな料理が一番合うのか、地元の人は時間をかけて作り上げ、完成形にまで仕上げている。

私自身はこんなにも好きな蜆であるが、家ではほとんど誰も食べない。亡くなった母も父も蜆よりは浅蜊を好んでいたし、子供たちも積極的食べることはない。食卓に上がるのは、やはり浅蜊の味噌汁が多い。私は清冽な海魚も好きだが、一方癖のある川魚も大好きだ。浅蜊を海魚だとしたら、汽水で育つ蜆は川魚に近いところがあって、私の好みに訴えて来るものがあるのだろうか。そのあたりの理由の分析はとりあえず脇へと置いておき、蜆を満足いくまで腹いっぱい食べたい気持ちが湧き上がってくる。
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No title

台湾ではないですが,対岸のコロンス島に鄭成功の史跡を訪ねたとき,屋台でビーフンの汁そばを食べました.そのスープがあまりにうまいので,亭主に食い下がって聞くと,ベースはシジミからとったスープでした.

韓国のチゲも出汁のメインはシジミですね.キムチの味も元はシジミと煮干しのようです.どうもシジミの地位は日本がいちばん低そうですね.

十三湖や宍道湖に行っても,旅行者は地物のシジミがなかなか食べられない.いつだったか,十三湖の魚屋さんで買ったシジミを民宿に持って行って,「これであしたの朝の味噌汁を作ってください.」と頼んだことがあります(笑)思わず冗舌,同じくシジミ好きの江奈♂でしたー.

Re: No title

> 江奈♂様

コメントありがとうございます。

台灣でも韓国でも蜆はいろいろな料理に使われているのですね。是非とも現地で味わってみたくなります。十三湖や宍道湖もまだ行ったことはありませんが、一度は行ってみたい場所です。まだまだ食べるべき物が多くあって、蜆好きとしては幸せです。

これからもよろしくお願いします。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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