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ソラニン 三木孝浩 (邦画 DVD鑑賞)

小さかった頃の配給会社の謳い文句をそのまま信じれば、全米は三ヶ月に一回は号泣し、半年に一回は恐怖のどん底に叩き込まれていることになる。いくらアメリカ人でもこんなことはないだろうが、またかと思いつつも騙されてみることは楽しいことだ。三木孝浩は「青春恋愛映画の名手」という触れ込みだが、これも映画会社の宣伝文句として、割り引いて考えないと足を掬われることとなる。

漫画が原作。バンドの話。ナレーションを使った構成、そして主演がともに宮崎あおいという共通点はあるが、「ソラニン」は大谷健太郎の「NANA」とは全く別の映画だ。お互い何かから逃げている主人公二人の描き方が類型的なため、全体として話が浅くなっているとか、プロットポイントとなる種田の交通事故死以降の展開において、もう少し深く丁寧な心理描写で芽衣子の心情を紡ぐことができなかったのかと不満は残る。青春とは恋愛とはこの映画のように浅く、平べったいものでは決してないはずだ。三木を「青春恋愛映画の名手」と呼ぶことには強い抵抗があるが、それでも私は硬くて青臭さが残る「ソラニン」の方が「NANA」よりも好きである。

この映画以降三木は若い男女を主人公とした映画を次々と発表して行くが、「僕らがいた」は前後篇にする意味と理由が私には分からないし、「陽だまりの彼女」も松本潤と上野樹里の演技含めて私に映画を観ているという楽しみを与えてくれることはない。「ホットロード」に至っては、私にはこの映画について何かを語ることができる能力がない。その中では二作目の「管制塔」が一番映画らしい。60分少しという短い上映時間のため、主人公の二人以外の余計な話を排して、映画的な時間を作ることに成功している。そして橋本愛はとても素晴らしい女優であることを付け加えておかねばならない。

三木の最新二作、「アオハライド」と「くちびるに歌を」については未見であるので何とも言えないが、三木が次回作でしなければならないことは自分で脚本を書く事だろう。毎回ベストと思われるシナリオ作家と組んではいるが、まず文章があってそれを映像化するというプロセスで映画を作っているように思われる。三木はキャリアをミュージック・ビデオからスタートしていることもあり、まず映像が頭に浮かぶ監督だ。三木の多用するソフトフォーカスの映像が決して美しいとは思えないが、映像から言葉への順番で一度映画を撮ってみるべきだ。そのためには自分で脚本を書く事が一番手っ取り早くて、効果的である。別に原稿用紙に書く必要はない。絵コンテに台詞を書き加えるだけで十分である。そんな三木の頭の中の絵と言葉が一緒になった映画を観てみたいと思っている。
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三木孝浩

我が郷土出身の三木孝浩監督。
何故か常に旬の俳優を起用し、旬の青春を撮ってます。
しかし、しかし、何かが物足りない、
そんな歯痒さで、毎回鑑賞してます。
そろそろ、彼の「物語」を見せて欲しいものです。

Re: 三木孝浩

> 映画カッパさん

コメントありがとうございました。

三木監督の映画はいつも描写が表面的なきれいごとに留まっており、そこを越えられないことに不満を感じています。突き抜けて欲しいと思っています。

これからもよろしくお願いいたします。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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