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ベルサイユのばら ジャック・ドゥミ (邦画 映画館鑑賞)

世に言う「ベルばら」ブームというものが確かにあった。誰もが幾分の揶揄を込めて「オスカル」、「アンドレ」と芝居がかった口調で叫んでいた。実写版の映画が公開された時は、原作を読んではいない私もまた、憑かれる様に劇場へと足を運んだ。そして映画の内容に深く失望するのであるが、私が言いたいのはそのことではない。「ベルサイユのばら」は、監督のジャック・ドゥミを初め出演者も外国人であり、ロケ地もフランスであるが、紛れもなく邦画であるという点、つまり製作の山本又一朗のことである。

読むだけで頭を抱え込んでしまう山本のフィルモグラフィーであるが、その全部を観ていないことが悔やまれる。「小説吉田学校」や「ザ・オーディション」、それに「宇宙からの帰還」等、今からでも遅くないので観てみたいものだ。山本には例えば「ベルサイユのばら」では、原作の舞台がフランスだから、それでは全部外国人でスタッフもキャストも固めてしまえと、東宝を巻き込んでジャック・ドゥミやミシェル・ルグランを担ぎ出す尋常ならざる力がある。舞台を日本に移すことなど微塵も考えない。そして実現させてしまう。つまり分かり易く言えば、トマなど足元にも及ばない山師なのであるが、これは映画を製作する人間にとっては必要不可欠な資質だ。山本でなければ、日本映画史に残る傑作「太陽を盗んだ男」は作ることが出来なかったのである。

山本のような山師が少ないことがが邦画をつまらなくしている。逆に言えば、製作者としての能力に欠ける者が、映画を作っている。アメリカとの合作を口八丁手八丁でまとめあげることが出来る手腕と思い込みを持った人間が、いったい今の日本に何人いるのだろう。現在の映画製作の主流である製作委員会方式が、単なるリスク分散のみの目的になっていないだろうか。テレビ局、商社、出版社の権利ビジネスになっていないだろうかと私は危惧の気持ちを深める。

山本の勢いは衰えることなく、プロデューサーとして最近手掛けた「ルパン三世」でもいかんなく発揮されている。すでに国民的アニメとなり、登場人物全員のキャラが確立している「ルパン三世」の実写化という、他の人なら尻込みしてしまう企画を実現させてしまうその豪腕。誰もが不安に思った映画の出来であるが、細かい注文はあるものの、きちんと楽しむことが可能な最終系に仕上げて来ている。山本にはこれからもずっと変わることなく、製作委員会に名を連ねるサラリーマンプロデューサーには決して真似することのできない型破りな仕事で、低迷を続ける邦画の世界において私たちの胸を熱くし、興奮させ続けて欲しいと願っている。
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魔笛

Author:魔笛
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映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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