スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

たまには立見覚悟で映画館の列に並んでみるのもいいのではないか

国内線であるにもかかわらず二時間前には空港に到着していた父親譲りなのであろうか、時間に余裕がないとどうしようもなく落ち着かない。ところがその日は魔が差したのか、19時40分からの上映開始に対してゆっくりと夕食をとって、20分前に映画館て着いた時は立見整理券が配られていた。三時間近い上映時間、立ちっぱなしで観るのはこの年になるとさすがにきつい。しかしその日は最終日であった。どうしようかと迷っていた私は映画館の若い女性スタッフに「35mm上映ですよね」と聞くと、彼女はにっこりと笑って「はい、貴重ですよ」と答えた。さすが映画館で働いているだけのことはある、つぼを押さえた返答だ。これで覚悟ができた。私はチケットを買って整理券をもらい、「インターステラー」を観ることにした。

幸いなことに最後のひと席かふた席で座ることが出来た。しかし私の後ろにも相当並んでいたので、場内はかなりの立見の観客がいる。ぎっしり満員の映画館は独特の雰囲気がある。がやがやとざわめく様子も、知り合い同士が喋る会話も、プラスティック袋のかさかさと言う音も気にならない。私は何とも言えない高揚感に浸りながら、映画の上映開始を待っていた。

映画そのものについてここで細かく語る必要はないだろう。クリストファー・ノーランは私にとって最も新作が観たい監督のひとりである。「ダークナイト・ライジング」以来の新作を、35mmのフィルム上映でそれも立見の観客で賑わう映画館で観ることが出来た幸せを改めて噛み締めながら劇場を出た私は、たった今観てきた映画を思い出しつつ、夜の暗い道を駅へ向かって歩いていた。

それにしても立見覚悟でチケットを買ったのは、園子温の「愛のむきだし」をキネカ大森で観て以来であろうか。私は幸いなことに座ることができたのであるが、この時も立見の観客が大勢いた。熱気に包まれた映画館には独特の雰囲気があって、私は大好きだ。小さかったころは立見が当たり前であった。東宝チャンピオンまつりなど相当早く行っても席を取ることが出来ずに、立見で観たことが何度もある。二本立て、三本立てが当たり前であったので、ひとつの上映が終わって席が空くと座って続きを観る。何ともわくわくする楽しい時間であった。

映画館数で大半を占めるシネマコンプレックスは定員制をとっている。立見で映画を観るということや、入れ替えの時に空いた席を探すということは、名画座でしかありえない状況になっている。寂しい気持ちがしないでもないが、それでも「この映画を観たい」という気持ちで、わざわざ映画館まで駆けつける人たちの熱気に満ち溢れた空間で、同じ時間を過ごすことは何事にも代え難い経験だ。だからこそ、たまには立見も覚悟で上映を待つ列の最後尾並んで、映画の始まりを他の人達と一緒に待ってみることも悪くはないと思う。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。