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クリスティーヌ・フェルベール コンフィチュール (フランス)

最初は株式会社アマノの通販で買うしかなかった。すぐに伊勢丹が扱うようになり、最近ではアンデルセンでも販売しているため、随分と入手は簡単になったのであるが、その分「手作り」という言葉に疑念を持つのも事実である。それでも二千円近い値段に目をつぶることができさえすれば、とても美味しい部類に入るコンフィチュールであると思う。

小学校の給食は脱脂粉乳の時代であり、ご飯やソフト麺はもとより洒落たパンもなく、毎日コッペパンが当たり前の時代であったから、ジャムがついて来る日は本当に嬉しかった。ここではコンフィチュールではなく、正確にジャムと呼ばねばならない。イチゴ、リンゴそしてオレンジマーマレードの三種類のローテーションであったが、マーマレードが苦手なために、もっぱらイチゴとリンゴのジャムを楽しみにしていた。今から考えれば、ひどく人工的な、果実感に乏しいジャムではあったが、私は大好きであり、今でも時々食べたくなる。

小さい時から大好きだったジャムであるが、作り方にもお国柄が出るのであろうか。たまに高知へ帰った時に土産物店やパン屋でジャムを手にとってみるのであるが、ほとんど全てに洋酒を使っている。こんな所にも酒好きの文化が影響しているのであろうかと勘ぐってしまうが、洋酒の香りが強く本来の果物の味を損なうジャムとなっており、あまり好きではない。果物の美味しさをストレートに凝縮して、元の果物以上に仕上げているフェルベールのコンフィチュールの方が、私の好みにより近い。

日本での売れ行きがいいのか、伊勢丹の戦略なのか、来日したフェルベール自身にサインをしてもらったこともある。そう言えば、あるデパートのエレベーターで一緒になったピエール・マルコリーニは、その三十分後にはチョコレート売り場でさっきの難しい顔はどこへ行ったのだと思うほどの満面の笑顔で接客していた。ビジネスはとても重要なことだが、フェルベールにはこれからも変わらない味のジャムを作って欲しいとは思う。

フランスの家庭の朝食はとてもシンプルである。卵もない。サラダもない。カフェ・オ・レもしくはテ・オ・レと一緒に、前日の残り物のパンを消化するようなものだ。それゆえバターとコンフィチュールの存在は大きい。一見貧困にも見える朝食ではあるが、慣れるとこれがすこぶる美味しい。フランス人の生活とコンフィチュールは切っても切り離せないものなのだろう。明治42年に出版された永井荷風の「ふらんす物語」のなかには、旅回りの芸人の子供が口にコンフィチュールをつけている情景が書かれている。当時のフランス人が食べていたコンフィチュールはどんな味だったのだろう。そしてコンフィチュールという聞きなれない言葉を読んだ明治時代の人々は、この未知の食べ物についてどのような思いを抱いたのだろう。
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魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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