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すぬおの日記 (その22)

グッモーニン、お久しぶりのすぬおです。冬に戻ったような寒い日もあったけど、季節はもう確実に夏に向かっているね。そしてこの時期になると、去年、一昨年とカスリもしなかった童話賞の締め切りが近づいてくるんだけど、まだ一枚も書いていない。お話が全然思いつかないんだ。困ったもんだと思いながらも、まあなんとかなるさと、窓から目の前を流れる川を見ている。

四月になって新しいスーツを着た新入社員らしい男女を電車の中でよく見かける。すぐに分かるから不思議だね。雰囲気もあるんだけど、いつもみんなでかたまって移動しているからね。パパにもあんな時があったんだろうか。新入社員時代のパパなんて、ちょっと想像できないけど。そう言えば一時期、こっそりとパパの後をつけてみたことがあるんだ。意識しているのか無意識なのか知らないけど、いつも同じ時間の電車に乗って、同じ車両の同じドアから入って、電車の中でも同じ位置に立ってつり革を掴んで、駅に着いたらいつも同じ改札から出て、同じルートで会社までの道を歩いて行っている。

人間って、面白いね。周りを見てるとパパだけでなく、みんな同じようなことをしてる。背の高い女子高生は駅に早く着いても、電車をやり過ごしていつもパパと同じ電車に乗るし、その電車には必ず朝から銀色のアルミ缶を片手にしたおじさんが乗ってくる。会社への最寄駅に着いて出口を上がると、いつも自動販売機でコーヒーを買って煙草を吸っているおにいさんと会うし、このおにいさんは煙草を吸い終わると信号を渡り、そこでも決まって必ずもう一本吸う。会社近くの神社の前では、おじいちゃんがラジオ体操ではなく、金属バットを使って体操をしている。

毎日、毎日、同じ光景が繰り返されている。ひょっとしたら十分前の電車に乗ったら、全く別のストーリーが毎日、起こっているんだろうか。そうだとしたらまるでパラレルワールドだ。パパにはたまには時間をずらして通勤してもらいたかったけど、無意識が知らず知らずのうちに習慣になってしまったのか、それとも人間ってものを変えたがらない保守的な生き物なのか、毎日同じ電車で、同じ光景を見ながら会社に通っている。そういう意味ではパパもこの毎日繰り返される光景を作っている登場人物のひとりなんだろう。お互いに見合っているのかもしれない。

今度の童話は時間をテーマにしてみようかな。伸び縮みしたり、並行して進んだり、逆戻りしたり、残酷だったり、けどこの上なく最高に美しいこの時間と言うものについて何かいい話を書く事ができたらいいな。うーん、考えてみよう。それから明日はこっそりとパパの目覚まし時計のアラームの時間を遅らせておこう。寝坊して遅刻しそうになりながら、慌てて飛び乗る別の電車では、きっと別の登場人物が舞台に上がり、全く違ったドラマが繰り返されているはずだと思うから。そう考えると、何か楽しそうじゃない。それじゃね、ばいばい。
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プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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