スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

何の事前情報も持たずに空いた時間にふらっと映画館に行くことこそ、最も正しく楽しい映画の見方ではないだろうか

午前9時に人を見送ってしまうと、次の約束は正午である。朝から雨の降る日曜日に、ぽっかりと時間が空いてしまった。多くの本屋は10時からなのでまだ閉まっている。久しぶりに漫画喫茶にでも行こうと考えて前まで行ったが、業態変化で違う店になっていた。こうなるともう仕方がない。特に見たい映画があった訳では無かったが、私はふらふらと駅近くのシネマコンプレックスを目指して歩き始めていた。

一番小さな劇場でも270くらいの座席数を有する比較的ゆったりとしたシネマコンクレックスであるが、スクリーンの数が五つしかないため、見る映画を検討することに時間はかからない。タイムリミットが正午という時間の制約を考えると二本しか残らないが、一本はついこの前に子供たちと一緒に見た、毎年恒例になっているアニメーション映画だ。そうなるともう選択の余地はない。私は残ったもう一本である「LIFE!」の当日券を購入すると500以上の座席のある、一番大きな劇場に向かった。

貼ってあるポスターを見ると監督はベン・スティラーと書いてある。この人については、「メリーに首ったけ」でキャメロン・ディアスの相手役を演じた俳優くらいの知識しかなかったので、監督もするということはこの映画で初めて知った。時間潰しで選んだので、ストーリーについても事前には何も知らない。しかし、ぱっと数えたところ20人くらいしか入っていない広い劇場でゆっくりと見た「LIFE!」は、予想に反して結構面白かった。音の入れ方など多分に類型的なところも散見されるが、きちんと映画の文法で撮っている。拾い物とまでは言わないが、十分に楽しむことのできる作品であった。

私は一日に24時間働いているわけではないし、24時間働くこともできない。決して忙しい日々を送っているわけではないのだが、それでも映画館へ出かける時は、どこの劇場で何が上映されているかを調べた上で予定を立てて、主に監督の名前で見る映画を決めてから出かけることがほとんどである。しかし思い起こして見れば、以前映画は私にとってもっと身近な所にあったような気がする。時間が空いてしまったから、することがないから映画でも見るかと映画館へと行っていた。そうして事前の知識なしに見た中に面白かった映画が何本もあった。その中には「パニック・イン・スタジアム」のようにもう一度スクリーンで見てみたいものもある。

私は映画を愛するがあまり、いつからか逆に映画に縛られていたのかもしれない。映画を楽しもうとするがあまり、映画の持つ純粋な面白さを自ら遠ざけていたのかもしれない。電気がついて明るくなった劇場で、今見終わったばかりの「LIFE!」の心地よさに浸りながら、時間が空いたらまた映画を見に来ようと私は考えていた。いつまでもこの空間にいたかったが、そういう訳にはいかない。ゆっくりと席を立って外にでると雨は入る時よりもさらに強くなっていたが、私は傘を指すと、高揚した気分を持続させながら次の約束の場所へと向かった。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

あ、『LIFE!』よかったですか。
観てみたいと思います。

ぷらーっと入った映画が当たりだと、
無上の喜びが湧きあがりますよね。

Re: No title

> つかりこ様

「LIFE!」よかったですよ。映画の内容もですが、この手の話にまだ素直に感動できる自分にも少し驚きました。時間を作ってではなく時間があるから映画を見るという、昔であればもっと当たり前に行っていたことを、久しぶりに思い出させてもくれました。

コメントありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。