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たまには映画館で長い映画にとことん身を浸してみるのもいいのではないか

まだ邦画が元気であった時代は二本立て、三本立てが普通であったため一本あたりの上映時間は長くても90分であったが、一本立てに移行して以来、2時間が標準になっている。90分で終わる話を、いや終えるべき話をTVドラマ的な手法で撮って120分に伸ばすことは、私を映画的な緊張感や愉悦とは別の場所へと連れて行ってしまう。また洋画、特にハリウッド映画は邦画よりも長くなる傾向にあり、感覚的ではあるが平均上映時間は2時間30分ほどであろうか。。「ハリーポッター」シリーズや「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ等は私には長く感じてしまうのであるが、その世界が好きな人にとっては短すぎると思っているのかもしれない。

さしたる理由もなくただ単に興行的な観点から長い上映時間になってしまった映画に魅力を覚えることは少ないが、どうしてもその長さが必要であるとの監督の強い意志がスクリーンに満ち溢れているような映画であれば、たとえ3時間でも4時間でもその長い上映時間を意識することなく心地よい緊張感に安心して身を委ねてしまう。映画がいずれは終わってしまうという事実を受け入れがたく、一分一秒でも長くこの幸せな時間を続けていたいと思うのである。この場合、長さは力なのだ。思いつくままに書いてみると、例えばベルナルト・ベルトリッチの「1900年」はそういう映画だ。基本的にあまり好みではない黒澤明であるが、「七人の侍」は時間を感じさせることがない。テオ・アンゲロプロスの「旅芸人の記録」、それにルキノ・ヴィスコンティの「山猫」も間違いなくこのカテゴリーに入る。

近いところでは、園子温の「愛のむきだし」や青山真治の「EUREKA」は3時間30分をゆうに超える上映時間にもかかわらず、映画の持つ唯一無二の力と美しさを改めて感じることができる作品であった。邦画の上映時間が判で押したように2時間前後となった今、時間に見合わない中身の薄いTVドラマもどきの映画が増えてしまった今こそ、たまには映画館で映画以外の名前で呼ぶことを許さない長い作品に心ゆくまで身も心も浸してみたいのである。見終わった後のあの心地よい疲労感は、何物にも代えることは出来ない。

そういえばまだ瀬々敬久が撮った4時間38分の上映時間を持つ「ヘヴンズ ストーリー」をまだ見る機会がない。瀬々の映画は、そのキャリアの大半であるピンク映画を含めてほとんど見ていない。しかし「アナーキー・インじゃぱんすけ 見られてイク女」を見る限り瀬々はとてもいい映画監督だ。最近は商業映画と自らの作家性に基づいた映画の間を軽やかに行き来する瀬々のこの大作を是非とも見てみたいと思っている。

映画監督の思いと意志と信念がこれでもかと込められた作品であれば私はどこまでも付き合う。そして映画館でそうした映画を見ることの至上の楽しみも十分に知っているつもりだ。映画監督にお願いしたいのは、たまには配給会社の思惑からは遠く離れて、私をとことん映画の中へと連れて行って欲しいということである。同じ思いを抱いている人は私以外にも多いのではないかと思う。
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No title

実際は短いのにちゃんと食い足りる作品や
実際は長いのにあっと言う間に終わる作品。
長くでも短くても、
映像・演技、ストーリー、編集のバランスが優れているものは、
夢中になれる良作ですよね。
最近はそれがうまくいっていないものも多い気がしますね。

ピンク映画、そういえばとてもおもしろかったなー、と思い出しました。
エロビデオとは違って、ストーリーとか企画性、撮り方の工夫など、
映画ならではの愉しみがそこにあったと思います。
復活させると意外とヒットするカテゴリーかもしれませんね。

以前から、僕の知らない映画をご覧になられているように
お見受けしております。
これからもいろいろ教えてください。

Re: No title

> つかりこ様

コメントありがとうございます。抽象的な言い方となりますが、映画的なものがこれでもかと詰まった映画が好きです。そんな映画に身も心も委ねている時は最高ですが、おっしゃる通り最近の映画は何かうまく行っていないようなものも多く、見ながら不満を感じることも少なくありません。

実はそんなに沢山の映画を見ているわけではないのです。教えるなんてとんでもありません。まだまだ見たい映画は山とあり、そのうちの一本でも多く見ることができるよう時間のやりくりをして行きたいと思っている毎日です。

これからもよろしくお願いいたします。
プロフィール

魔笛

Author:魔笛
大好きなものを綴った日記です

映画:ハリウッド映画からピンク映画まで
本:ジャンルを問わず小説が中心
食べ物:フランス料理とイタリア料理が好物
旅行:なかなか行けませんが欧州とアジアが好き

大好きなものを語る場合、時として辛口になることもありますが、愛情の裏返しということでご容赦下さい。また文中敬称略であることもご勘弁願います

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